持光寺、仏像と涅槃図 市重文に
- 2013/11/1
- 尾道のニュース
10月31日(木)開かれた尾道市教育委員会で、西土堂町、持光寺の「木造五劫思惟阿弥陀如来座像」と「絹本着色仏涅槃図」が尾道市重要文化財に指定されました。
木造五劫思惟阿弥陀如来座像
木造五劫思惟阿弥陀如来座像は高さ112センチ、江戸時代の元禄15年(1702年)に仏師・法橋安清によって造られたものです。
五劫思惟とは、長い時間思惟にふけっていたとの意味で、理髪をしなかったことによる長大な頭髪で、両手を胸の前で合掌しています。
江戸時代中期の仏像として、製作年代、作者が分かるものであり、文化財的価値が高いということです。
絹本着色仏涅槃図
絹本着色仏涅槃図は、縦293センチ、横180センチ。(本紙縦200センチ、本紙横154センチ)
画面中央よりややしたに横たわる釈迦を台上に現し、台を取り囲む仏弟子、諸菩薩などと動物を下半分の画面ないに詰め込むように描きおさめ、画面上半部には向かって左に緑葉、右に白葉とする8本の沙羅双樹、空に満月と麻耶夫人一行などを表しています。
図の裏下部に貼り付けてある旧裏打ち紙の一部と、寺の過去帳によると、この涅槃図は画師・法橋若狭によって弘安7年(1284年)に描かれ、その後、数回修復されているということです。現状は表具の損傷や涅槃する釈迦に若干破損がみられるものの、全体的には当初のものをよく留めており、数多い仏涅槃図の遺例のなかでも鎌倉時代に遡るものとなると全国的にも少なく貴重だということです。