16回絵のまち四季展、各賞決まる
- 2014/12/14
- 尾道のニュース
尾道を題材にした絵画作品を全国公募する第16回絵のまち尾道四季展の審査結果が14日午後発表され、最高賞の尾道賞には、山口県の土肥健次さんの作品「小休止」が選ばれました。審査は日本芸術院会員の藤森兼明氏を審査員長に、東京工芸大学教授の石川健次氏、尾道市立大学名誉教授の奥山民枝氏、神戸市立小磯記念美術館館長の島田康寛氏、しもだて美術館館長の安井収蔵氏が13日と14日の2日間にわたって行いました。尾道賞については、「サイクリングという尾道の新しい魅力を切り口に、グラフィカルな表現で尾道の風景を無理なく描き、尾道の人の心をくすぐる泣き所をついてきた新しい視点の作品。非常に若々しい印象を受けるが80才の方が描いたという点にも驚いた」と評価しました。また、受賞作全体についても技術だけでなく絵を描く喜びが伝わる作品などバランスの良い作品が出そろったと講評しました。今回は出品点数が前回の1047点から757点と大幅に減少しましたが、新しい視点や題材のものが増えており内容は充実している。今後は漠然と尾道を描いてもらうのではなく、テーマを絞って腕を競ってもらうことも必要なのではと四季展の今後の課題についても提案がありました。尾道市内からの上位入賞は、尾道市美術協会奨励賞に土堂、濵本和信さんの作品「尾道駅2番線」が選ばれています。展覧会は来年2月21日から3月8日まで行われ、尾道賞と金賞、銀賞、銅賞、各奨励賞、秀作の64点が尾道市立美術館に、入選作398点が商店街に展示されます。初日には市立美術館で表彰式が行われます。
第16回絵のまち尾道四季展 上位入賞7作品(敬称略)
◆尾道賞(グランプリ) 「小休止」 土肥健次(山口県)
審査員コメント・・・”サイクリングという尾道の新しい魅力を切り口に、グラフィカルな表現で尾道の風景を無理なく描き、尾道の人の心をくすぐる、泣き所をついてきた新しい視点の作品。非常にインパクトがあり今後こういう視野、視覚が増えてくるのではないか。非常に若々しい印象を受けるが80才の方が描いたという点にも驚いた”
◆金賞 「6分間の空中散歩と人情尾道旅」 久本徳夫(山口県)
審査員コメント・・・”鉛筆と水彩という軽い材料で気持ちも飄々と軽く、絵を描くことを十分に楽しんでいる。ぬけぬけと好きなように描いているところは絵を描く喜びで、そういう魅力に富んだ作品。作品の若々しさと、股旅ものの大衆演劇のようなタイトルのミスマッチさも良かった。”
◆銀賞 「オノミチノゾウ」 唐見正二(大阪府)
審査員コメント・・・”日常的な普通の景色の中に突然ゾウとサイが出会うという驚き。日常と非日常が一番の魅力。ファンタジックな魅力がある作品。”
◆銀賞 「港の朝」 濱崎秀嗣(高知県)
審査員コメント・・・”時間帯や奥行きも含めて最初に受けた自然からのニュアンスを自分が用いたい描写というテクニックに置き換えている。非常に素直に見る人に伝わってくる。”
◆銅賞 「たゆとう」 藤原清二(広島県)
審査員コメント・・・”空間的な広がりがある白を基調にしながら、微妙に色を交えて尾道水道の風景を上手く俯瞰的にとらえた。船の動きも感じられる力作”
◆銅賞 「尾道初恋」 小池弘之(奈良県)
審査員コメント・・・”グラフックデザインのようでもあるが、絵画の幅をより広げていこうということに敬服した。とりわけ色の数を少なくしたところが効果的だったのではないか。”
◆銅賞 「寺へ」 浅井道子(大阪府)
審査員コメント・・・”左右に近代的なビルがあり、中央に寺の石段がある。新しい尾道と古い尾道を掛け合わせたような風景に、描く人が新しい視点を絶えず研鑽しているところを感じ評価した。”