夜間診療所 宮野医師会長が要望書

宮野会長と要望書を受け取る藤本議長尾道市医師会の宮野良隆・会長は、19日 午後、尾道市役所を訪れ、平谷祐宏・尾道市長、尾道市議会の藤本友行・議長に対し、救急医療体制整備の緊急要望書を手渡しました。

尾道市の夜間診療所は、新高山の尾道市立市民病院に併設されており、市民病院を中心に松永沼隈医師会、尾道市医師会、因島医師会の協力を得て運営。現行の午後8時から翌朝7時までの診療時間は応援医師には負担が大きいため、医師会からの応援は午後8時から11時までとして、その後の時間帯は市民病院の医師が当直と併せて診療しています。このため市民病院の医師は宿直で入院患者への対応と二次救急(入院治療や手術を必要とする重症患者への救急医療)、さらに一次救急(入院の必要がない外来の軽症患者に対する救急医療)として夜間救急診療所を兼務しており負担が重く、救急医療の崩壊が懸念されています。

尾道市は現在開かれている尾道市議会第3回定例会に夜間診療所を移設して、門田町、総合福祉センター敷地に仮設の診療所を新設する条例改正案と補正予算案を提案。平成26年4月からは、午後8時から11時まで、尾道市医師会、因島医師会、松永沼隈地区医師会、JA尾道総合病院、公立みつぎ総合病院、尾道市立市民病院から派遣された医師が夜間診療を行う体制を確立することを目指していました。
しかし、18日開かれた民生委員会で、仮診療所を建設する予算8000万円のうち7700万円を減額する修正案が可決。25日の本会議の採決で可決されれば、来年4月からの新体制での夜間診療の運営計画が頓挫することになります。

要望書全文

尾道市立夜間救急診療所の時間短縮及び独立した<仮設>診療所の新設に関する要望

現在、尾道市の救急医療は崩壊の危機に直面していると思われます。特に、尾道市立市民病院の内科医の不足が深刻で、平成26年4月からは、さらに医師、研修医が減少することが決まっているために、尾道市立夜間救急診療所の運営が困難となることが予想されます。既に他の自治体では救急医療が崩壊し、尾道市もその轍を踏む可能性があり、尾道市の場合は急性期病院が少ないために更に深刻な状況となる恐れがあります。我々に残された時間はあまりないことを認識し、早急に対応する必要があると考え、各基幹病院の救急医療実務者、各医師会の代表者で組織する「尾道地区救急医療検討委員会」を立ち上げ議論を重ねてまいりました。
地域の医療を守り続けていくため、早急に夜間救急診療所の診療時間を午後8時から午後11時までの3時間に短縮すること及び設置場所を市民病院より別の場所に移設し運営することが必要であるとの結論に至っています。
同検討委員会では、9月18日にも会議を開き、具体的な診療所の規模や設備、人員配置等についても議論も行い、新診療所の開設に向け準備を進めているところでもあります。
尾道市におかれましては、以上の内容をご理解いただき、救急医療を守る立場での体制整備を強く要望いたします。

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